765PRO ALLSTARSの正当新作として見る「スターリットシーズン」

※ 本記事ではステラステージを含む、過去作の据え置き版、アニメ版アイドルマスターシリーズのネタバレを含みます。いつかやろう、と思ってる人は今すぐPS4を起動してください。今すぐ起動しない人はどうせ一生やらないの読んでもいいと思います。

だいぶ旬を逃した感じがありますが、アイドルマスター家庭用据え置きの新作、「スターリットシーズン」がアイマスPの間をだいぶ賑わせてますね。

せっかく発売前、詳細情報が出る前までのこの期間なので、好き勝手妄想できる!ということで、このタイトルがどんなタイトルになるか、ちょっと予想とか想像したものを書き残すのがこの記事の趣旨です。

まず最初に事実確認から。今現在公開されている……というかファミエリが把握している情報は、

  • PS4、Steamで出る完全新作だということ
  • 765PRO ALLSTARSの13人に加え「シンデレラガールズ」「ミリオンライブ」「シャイニーカラーズ」の各ブランドのアイドルが5人ずつ所属する「プロジェクト」をプロデュースするゲームであるということ
  • 海外研修から帰ってきた765プロのプロデューサーが、高木社長が主導となって各事務所のアイドルを横断で集めたプロジェクト、「ルミナス」をプロデュースするという設定であるということ
  • アイマス2のライブシステムをベースとしたゲームシステムだということ
  • 全楽曲、全アイドルの編成には対応していないこと(ファミ通情報)

ですね。

まず、はっきりさせておきたいのが、そもそも本作は「アイドルマスターの各ブランドを横断した」15周年記念タイトルではなく、あくまでステラステージに続くPS4の新作として作られたゲームであるということです。

これは、開発チームの自己申告もそうですが、PS5がもう出るかというこの時期にわざわざPS4で出してくる、というところあたりからほぼ間違いはないかな、と。
ステラステージが出たのが2017年末ですから、そこから2年開発にかかるとして(グラフィックを流用したプラチナ→ステラで1年半かかっている)、2019年内に本来出せるであろうものが伸びて2020年に食い込んだ、というのはとても納得のいく話です。

それはさておき、重要なのはこのゲームがあくまでステラステージに続くPS4の新作として作られたゲームであるという点だと思っています。

ここで改めて最新作である「ステラステージ」を振り返ってみるのですが、もう2年前のゲームなのでネタバレもへったくれもないので、書きますが、ステラステージは765ASのアイドルたちが一番最初に抱えている障害(やよいの家庭の経済事情、美希のサボりぐせなど)、というか目指すべき目標が最初から、あるいはかなり序盤で解決されている状態から始まります。

その上で、彼女たちはそれでもアイドルを目指すのか、外的要因を取り除いたときに彼女たちがそれでもアイドルを目指す理由は、どんなトップアイドルになりたいかというのがステラステージの趣旨でした。

象徴的でもあり、特異でもあるのが、春香のTrue ENDですね。

これは、アーケード版アイドルマスターの春香ENDのオマージュをしつつも、当時プロデューサーには選べなかった「春香の気持ちを受け入れる」という選択肢を追加している、という意味で、アーケードから続く765PRO ALLSTARSのアイドルの物語の一つの決定版になっていると言えると思います。

そういう意味で、プロデューサーとアイドル、1対1、二人三脚でトップアイドルを目指す物語はステラステージを持って「完結した」と捉えることもできると思っています。

じゃあ、彼女たちの物語はそこで終わりか、というと全然そんなことはなくて。

アニメ版では、テレビアニメでトップアイドルになった彼女たちに待っていたのは、劇場版での、憧れる側から追いかける側へ、そして後輩たちを導く「先輩としての成長」という試練でした。

順当に考えれば、ゲーム版も同じ流れに行くはずで、実際ミリシタではそうなっていますよね。

グリマス時代の、「50人同列」を見直して、13人を明確に「先輩」として置いたことは、765ASのメンバーはもちろん、シアター組にとっても良いことだったと思います。

なので765ASがミリオンと近づいていくのは必然であり、これを拒否する人は要するに(自覚があろうがなかろうが)765プロの物語が先に進むことを拒否する、サザエさん時空を望む人たちなわけですが、停滞の先にあるのは維持ではなく死です。なぜって、進歩がなければ新規参入もなく、一方で去る人間は必ず一定数います。単純に飽きた、とかだけなく環境の変化、あるいはそもそも亡くなった、とか。

だからこそ、維持するために変化が絶対的に必要なわけで、今の765PRO ALLSTARSの成長フェイズにおいて間違いなく必要なのは「追われる立場としての成長」でしょう。

ステラステージに登場する詩花は、765プロの外から相互に憧れ、憧れられるという対等に成長していく、今の765PRO ALLSTARSに必要なライバルだったと思います。

さて、ここまでくればほとんどの方は、私がこの記事で何を言いたいか理解していただけると思います。

私がこの記事で主張したいのは、スターリットシーズンは、アイドルマスターの合同作品ではなく、あくまで765PRO ALLSTARSを中心とした(ディアリースターズ、シンデレラG4UやVRを除く)今までの家庭用アイドルマスターの正当新作である、ということです。

というのも、先程説明したように、今の765PRO ALLSTARSのメンバーの成長を描くには、「後輩との対峙」という要素が不可欠でしょう。

それをゲーム落とし込むには、当然、「後輩キャラ」が必要になってきます。

スターリットシーズンにおいて、その「後輩キャラ」に当たるポジションを新規に作成するのではなく、単純にファンからの需要も高い、「シンデレラガールズ」「ミリオンライブ!」「シャイニーカラーズ」のアイドルから流用してきただけに過ぎないのではないか、と。

そういう風に考えると、なぜsideMやディアリースターズの面々が登場しなかったのか、というのも凄くわかりやすくて、端的に言うとこの2つはすでに「後輩」にしづらいからです。

当たり前ですが、「sideM」は765PRO ALLSTARSの宿命のライバル、Jupiterを抱えており、立場的にここに上下がつくのはマズい。

また、ディアリースターズも登場当初は765PRO ALLSTARSの後輩ポジションでしたが、プロミなどの三瓶さんの扱いを見る限り、どちらかというと限りなく「同格」に親しい扱いになっているでしょう。

その意味では、「シンデレラガールズ」や特に「ミリオンライブ!」は10周年の頃から妹分感がありますので、扱いやすいのだろう、と。

話をスターリットシーズンに戻すと、「シンデレラガールズ」「ミリオンライブ!」「シャイニーカラーズ」は、ステラステージにおける詩花プロデュースの要素を若干豪華にしたものだと思います。

あくまで、主役、スポットを当てるべきは765PRO ALLSTARSの面々、というか後輩アイドルたちを導く、「LEADER」としての765PRO ALLSTARSということになりますから。

実際、ファミ通でも「全曲歌い分けには対応しているが、編成にはある程度制限がかかる」旨の告知がされています。

であれば当然、今まで据え置きで13人分の歌い分けが収録されている765PRO ALLSTARSのメンバーについては豊富に曲数がある一方で、シンデレラ、ミリオン、シャイニーのアイドルはそれがないため、編成に強い制限がかかりそう、というのは容易に想像がつきます。

私も含めて、シンデレラ、ミリオン、シャニのアイドルを担当しているPが、今までの家庭用のようなリッチさ、ボリューム感でスターリットシーズンを期待していると、かなりの高確率で期待はずれになるだろう、ということは簡単に予想できますので、「スターリットシーズンはあくまで765PRO ALLSTARSの正当新作なのだから、765AS以外はあくまでオマケ」ぐらいに思って、今のうちにハードルは下げておこうな!と、そういうような記事でした。


(余談)

ちなみに、今でてる公式側のお話で疑わしいのが、シャニマスは後から追加が決まったって話ですかね。

シャイニーカラーズは2018年4月にリリースされて、シャイニーカラーズは2018年4月にリリースされてるわけですが、その前の2017年5月の段階で、アイドルマスターの新作をHTML5の新作プラットフォームで出すことは決まっていたわけで、シャイニーカラーズのキャラクターはまだ出来ていないとしても(いや開発期間が1年ってことはないでしょうからこの時点である程度出来ていたと思いますが)、少なくともとも2017年末のステラ発売の段階でシャニマスのことをバンナム社員が知らなかったわけないんですよねぇ……

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