アイラブ歌合戦 に向けて

アイドルマスターを好きになってから約14年、ラブライブ(虹ヶ咲)を好きになってから3年が経過した、このタイミングでまさか公式がこういったコラボをやってくるとは一ミリも思っていなかった、というのが正直なところです。

この両作品は自分に取ってはやはりかなり『特別』な存在というか、厳密はここに『アイカツ!(特にアイカツスターズ)』を含めてですが、この14年間、自分の趣味における興味の中心は二次元アイドルにありました。

そういう意味で、ライブの中身がどんなものになるか、というのはともかくとして、このライブは自分の中でかなり特別な意味合いを持つものになってしまいます。

例え、ライブ本編がお祭り騒ぎ的なもので、いわゆる文脈的な意味だったりとかを含まないとしても、です。

だからこそ、このタイミングで私はある意味この14年間を総括する、いいタイミングなんじゃないか、と思いこの記事を書かせていただいています。

二次元におけるアイドルとは本質的に『物語』である

まず、私の前提条件なのですが、アイドル(今後、本記事では特に断りが無い限り単に『アイドル』といった場合、二次元のアイドルを指すこととします)とは物語だと思っています。

憧れから始まり、壁にぶつかり、成長し、乗り越える、この基本的なサイクルを行っていない作品というのは少なくとも私の知る限りでは存在しません。

自分の目標を達成することであったり。
自分を叶える、すなわち自己実現を為すことであったり。
憧れを繋いでいくことであったり。

作品によってテーマや主題は異なりますが、アイドルたちがステージ上で物語を紡いでいくことは変わりありません。

そのステレオタイプは、それこそ初代『アイドルマスター』や『μ’s』のころから揺るがない現代的なアイドル作品の根幹になる部分でしょう。

もちろん、このフォーマットに則っていないアイドル作品も存在しますが、そういった場合そもそも作品のメインテーマがアイドルではないことが多いように感じます(例:『推しの子』『推しが武道館いってくれたら死ぬ』)

でも、考えてみると別にこういった物語構造って、アイドル特有ではないんですよね。

スポ根モノに始まり、昨今のなろう系の無双モノ作品を例外とすれば、主人公が何者かに憧れ、壁にぶつかり、成長し、乗り越える事自体はありとあらゆるジャンルで取り入れられているものです。

というか、それがアイドル以外のジャンルでも可能だということは『幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-』というアニメが証明していますし。

物語の構造についての私の考え方に近いものとして、内科部長氏のブログをよく引用するので、今回も引用しておきます。

構造と物語 -劇場版アイドルマスター輝きの向こう側へ 感想その2 | 内科部長室

このブログの中で書かれている、
1. 分離・旅立ち
2. 通過儀礼・試練
3. 帰還
という組み立ては、少なくともアイドルマスター、ラブライブ両作品のほとんどに当てはまるものに感じています。

虹ヶ咲で言えば、アイドルに憧れ、皆を応援することを選んだ高咲侑が、SIFを経て最終的に自分の夢を見つける、という部分に帰結するという構造でしょうか。(一方で、その帰結がまた高咲侑の新しいステージの旅立ちでもあるのですが)

アイドルの物語の特殊性

では、その上で、アイドルにおける物語の特殊性はなにか、言い換えればアイドルでしか表現出来ない物語は何か、というのであれば、その物語に『干渉』することができるかどうか、ということだと思います。

『干渉』はあるいは『参加』と言い換える事ができますし、アイマスシリーズはそれを「プロデュース」という形で実現し、ラブライブシリーズは「みんなで叶える物語」をスローガンに「あなた」に参加を求めるという形で実現しています。

これは、3次元のリアルアイドルたち、というかいわゆるAKB商法的なところも近い部分があって、我々を彼女たちのサクセスストーリーの「共犯者」とすることで、我々の様々な感情をくすぐるわけです。

例えば、アイドルたちに必要とされているという自尊心であったりとか。
アイドルたちを派手に応援することで得られる自己顕示欲であったりとか。
アイドルを中心としたチームに参加して得られる所属欲求だったりとか。

そういった我々の様々な社会的欲求を満たしてくれるのが『アイドル』なわけです。

社会的な話をしたいわけではないですが、バブル後のいわゆる失われた30年、3.11以降に始まる「不安」の時代や、ロシアのウクライナ侵略戦争に始まる国際的な不安、少なくとも私は生まれてきて30年強の中でもっとも強く戦争の危機というのを肌感で感じています。自分が生きている間に戦争は起きない、と断言するのが難しくなった。

正直明るい未来を想像するほうが難しい時代に、彼女たちが見せてくれる明るい未来に抗うには、あまりにも我々の心は弱い。

デビュー曲のCDが約400枚しか売れない中、最後は紅白出演にまで至ったアイドルグループとか、アニメ化の予定がなかったのに視聴者からの支持でアニメにこぎつけたグループとか、アニメが期待されていたにも関わらず、永遠にアニメ化されず10年経ってようやくアニメ化を実現したグループとか、そういう明るい物語に光を見るのは当たり前、そう私は思えてならないです。

「次はあなたの番!」と「PROJECT IM@S 3.0 VISION」

でも私は、それだけで終わって良いのか?という疑問をここ最近感じるようになりました。

特に、今年に入ってから、きっかけはアニガサキ2期のランジュのセリフです。

「同好会で夢を叶える、そう言っていたのに、今のあなたは周りに自分のあなたの夢を重ね合わせてるだけよ。あなたはそれで満たされたとしても、何も生み出してないわ。」

ランジュさん、こう、ド正論で人をぶん殴らないでください。泣いてるオタクだっているんですよ。
本当にアニガサキ2期はオタクに厳しいアニメやでぇ……

確かに、アイドルを応援することそのもので、我々は何も生み出していません。

多くの人が、自分の好きなアイドル、好きな作品を広める為に広報活動をしているのと同じように、自分も春日未来でTATBTCと役を取らせる為に奔走したり、自分の思うアイドル像をブログに書き連ねたりしていますが、それは春日未来、というアイドルに夢を重ね合わせているだけで、何も生み出していないんですよね……

最終的に虹ヶ咲の、高咲侑の出した結論は、『皆も自分みたいに自分を表現できる人間になりたい』ということで、侑はアイドルたちからもらった勇気や元気で、自分にしかできない表現にチャレンジする、つまり侑もまた表現者(=スクールアイドル)であるという結論に至りました。

そして、「次は、あなたの番!」というセリフでコチラ側にすべてがぶん投げられて作品は締められるわけです。

つまり、アニガサキの「続き」はアニガサキを受け取った皆さんが、その先何を為すかに託される、という結論で終わります。

この辺のはなしは、ろっぷるさんのコチラの記事も読んでいただくことをおすすめします。

この二期を経てしまったからには、自分の中で、アイドルへの物語の「参加」のハードルが大きく変わってしまったというか、ただ「応援」や「プロデュース」するだけでなく、そこから受け取ったことで「何をなすか」ということが本当の意味で重要なのではないか……というのが自分の考えになりました。

そのアニガサキ2期が終わった半年後に、アイマスでも大きな出来事がありました。「M@STERS OF IDOLWORLD!! 2023」(以下、MoIW2023)と「PROJECT IM@S 3.0 VISION」です。

3.0 VISIONについては、以前の記事でも書きましたので、そちらもどうぞ。

その中で掲げられていた「CRE@TE POWER WITH YOU! あなたらしさが、きっと誰かの力になる。」という標語があります。自分がアニガサキの二期を見ていたからこそ、この標語をスムーズに理解する事ができました。

あなたらしさが誰かの力になる、『プロデュース』を通じて、我々の個性が求められる時代になるのではないか、あなた自身が何者か、何を為せるのかを問われているのではないか、と。

それは根っこの部分での考え方はアニガサキ二期の「次は、あなたの番!」と共通するものがある、と私は考えています。

そして、3.0 VISION のその標語を体現した最たるものが、「ヴイアライヴ」だと私は思っています。

これについては、フサギコPのブログが詳しいのですが、ヴイアライヴは正しく我々が何を為すか、というのが問われている作品です。

自らの『プロデュース』に基づき、他者に影響を与える事ができる……という意味で、ヴイアライヴのアイドル候補生たちは我々と「同じ時間を生きている」ということが出来ます。

「同じ時間を生きる」ということに関しては、蓮ノ空も同じです。

アプローチは違うものの、ここまで読んでもらった皆さんにとっては、「同じ時間を過ごす」ということの重要さは、なんとなく理解してもらえるんじゃないかな

ただこの理解、正直自分がアイドルマスターとラブライブ、両方に触れていたからこそ理解できるものであって、多分、片方しか触れていなかったらたどり着かなかった結論だと思っています。

だからこそ、自分にとってこの両作品のコラボというのは尋常ではなく大きな意味を持ちます。
この2つをつなぎ合わせて、自分なりの結論を出すというのは正直私の中でのみ処理されていることであり、異次元フェスがなければ、こんな話をブログに残すこともなかったでしょう。

私の、挑戦。

さて、ここからは私自身の話になります。

「次はあなたの番!」とバトンを託された自分。
「あなたらしさが、きっと誰かの力になる。」と、自身の個性を要求されたプロデューサーとしての自分。

何をするか、というのは大分迷いましたが結論としては、「両作品を大好きだと言い張れる自分だからこそ、表現できる物があるんじゃないか……」というものでした。

その発露の形として、自分が始めたイベントが、「TOKIMEKism」と「ORIGIN@TION」という「アイマス」「ラブライブ」2つのイベントを同会場で併催するフェス形式のイベント、でした。

正直、これでいいのか?本当はアイマスにもラブライブにも頼らずになにか新しい挑戦をするべきなのでは?という迷いがないわけではないですが……俺は弱い……

とりあえず、足元、自分が出来そうなところから一歩ずつ踏み出していくのが自分にとっては精一杯ですが、その一歩がきっと大切なんじゃないかな、とそう思っています。

それはさておき「異次元フェス」DAY1の終演後には、「打ち上げDJ」さんとコラボした打ち上げイベントも開催予定ですので、そちらも是非遊びに来てくださいね。

#アイラブ打ち上げDJ @東京 中野 heavysick ZERO【12/9(土) 深夜 #異次元フェス アイドルマスター★♥ラブライブ!歌合戦 非公式打ち上げDJイベント】

という、超長文宣伝でした。おしまい。

異次元フェスに向けたラブライブ!のご紹介

全国一千万のプロデューサーのみなさん、ハロめぐー!(挨拶)
異次元フェスを楽しみにしすぎている男です。

今日は、全国のプロデューサーの皆さんに向けてラブライブのご紹介、どう予習していったらいいのかみたいなところを話していければと思います。

一応自分の素性を話しておくと
アイマス → だいたい2010年(アイマス2発売ぐらい)から。2013年以降は主にミリオンライブを中心に追いかけた。5thライブまでのミリオン現地全通マンなのが自慢。
ラブライブ → 2020年の虹ヶ咲2nd、配信ライブでハマる。現地はほぼ虹ヶ咲のみ(虹ヶ咲Liella3rdぐらい)

そんな感じなので、どちらかというとラブライブガイドというより虹ヶ咲ガイド、になりそうな気がしますがご容赦を。

楽曲の予習はしなくていい

結論からお話しますが、私は楽曲の予習は必要ないと思っています。
理由としては、ラブライブ!側の演者は一部の例外(ライバルユニットなど)を除いてほぼ全てのメンバーが揃っている状態であり、今回、参加する「サンシャイン」「虹ヶ咲」「スーパースター」「蓮ノ空」の楽曲は投稿日時点で合計で447曲あります。

これは概ね、765プロオールスターズとシャイニーカラーズの全楽曲とほぼ同等であり、全てを今から網羅するのは無理でしょう。

じゃあ何をすればいいのかというと、やって欲しいことは参加するアイドル達がどういう子たちなのか、Aqours、虹ヶ咲、Liella!! がどういうグループなのかを知る、すなわちアニメを見ることです。

これはTwitterで何回か言っているのですが、付け焼き刃で曲を覚えていったとてそれを歌ってるアイドルたちがどんなアイドルなのか分からないより、曲は知らないけどそれを歌っているアイドルたちがどんな子なのかを知っていた方が絶対楽しいはずです。

例えばですが、キャラを知っていれば誰と誰にコラボして欲しいとか、ラブライブのあの子にアイマスのこの曲を歌って欲しいとか、そういう楽しみが生まれますからね。

というか、そういうことの楽しさを我々は今年の2月に東京ドームで経験したわけじゃないですか。

アニメを見ることのメリット

アイマスをやっているとピンときにくいかと思いますが、基本的にラブライブはアイマス以上にアニメの比重が高いです。

アイマスのアニメはどのブランドにおいても、数多ある可能性世界の一つ、という扱いで、どちらかというとゲームがメインではありますが、ラブライブにおいては一部の例外を除き、ほぼ全ての展開の設定がアニメの世界観をベースにしています

なので、ラブライブにおいてアニメを見ること ≒ アイマスの各ゲームの主要なシナリオを見ることだと思って貰って構いません。

ですので、アニメを見れば各アイドルがどんな子だとか、そのグループが抱えている物語がわかるので。

余談ですが私が「ラブライブを予習したければアニメを見ろ!」というツイートをした時に、「逆もまた然り(アイマスもアニメを見て欲しい)だよなぁ」という反応を頂きますが、これに賛同しにくいのはこのあたりが理由だったりします。
アイマスのアニメを見ても、アイマス側の出演アイドルをすべてカバーできるわけではないですし……(まあラブライブ側にもまだアニメ化していないグループや、アニメに出てきていないメンバーは居るんですが、アイマス側はその比率が高いという話)

話がそれましたが、理由のもう一つとして、ぶっちゃけ異次元フェスでやりそうないわゆるメジャーな曲はだいたいアニメで使われているんですよね。

トチ狂ってアイラブハッチポッチフェスティバルみたいなことにならなければ、ラブライブ側の楽曲は概ね半分以上はアニメ関連の楽曲になる可能性が高いと思っています。そういう意味でもアニメの視聴はかなりおすすめ出来ます。

ラブライブ!サンシャイン!!(Aqours)について

ラブライブ!シリーズの2作目にして、今回出演するチームの中では最古参のチームです。

特徴としては、初代μ’sの影響を色濃く受けてるチームであることが挙げられるでしょう(作中で明確にμ’sの存在が語られているのは今のところこのチームのみだったり、メンバーの桜内梨子が初代μ’sの舞台設定である音ノ木坂学院からの転校生だったり)

そういった意味では、個人的には現時点でのラブライブ!シリーズの精神的支柱になっている部分が大きいと思います。

アニメシリーズはTVシリーズが1クール×2期と劇場版、スピンオフアニメ1クールという感じになっていますが、とりあえずTVアニメ1期を見ていただきたいです。

個人的な感想になりますが、μ’sに憧れてスクールアイドルを始めた彼女たちが、μ’sの後追いではない、自分たちの輝きを求めるというった王道展開にはとても胸が熱くなります。

どうしても時間ないよ!という方は公式がまとめ動画を作っているのでそちらもぜひ。

TVアニメ1期
TVアニメ2期

ちなみにアイマスP大好きGuilty kissはAqoursのユニット内ユニットです。

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会について

ラブライブ!シリーズの3作目にして、シリーズの異端児的存在です。

まず、前述の通りTVアニメが重要なラブライブ!シリーズにおいて初のアプリゲーム(ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルオールスターズ、2023年にサービス終了済み)から生まれたグループとなります。

最大の特徴は他のシリーズとは異なりソロアイドルを重視していること、またTVアニメにおいてはゲームで登場したプレイヤーキャラ(アイマスで言えば作中P)に相当する、高咲侑というシリーズでも類を見ないアイドルではないにも関わらず主要メンバーに名を連ねる存在がいる、ということが特徴です。

また、作品名がそのままグループ名(※厳密に言うとグループではないという話もあるんですが、ややこしいのではここでは割愛)となっており、作品名もグループ名も「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」(作品名の場合は頭にラブライブ!が付く場合もある)となります。

アニメシリーズはTVシリーズが1クール×2期とOVA、ショートアニメが1クールという感じになっています。こちらもまずはTVシリーズ第1期を見ていただきたいです。ただ、一部のアイドル(三船栞子、鐘嵐珠、ミア・テイラー)は二期からの登場になるので、こちらのアイドル達が登場しないことだけ注意が必要です。ショートアニメとOVAは余裕があったらで構いません。特にOVAがは各種サブスクサービスで解禁されていないはずなので。

こちらも時間がない人向けに1期のダイジェストがあります、、、、、が。本当に良いアニメなので是非ちゃんと見て欲しいです。マジでこれをダイジェストで見てしまうのはもったいない。アイマスのアニメ、ラブライブのアニメを見てきましたが私の中では虹ヶ咲の1期を超える作品はない、と思っています。(個人の感想です)

ラブライブ!スーパースター!!について

ラブライブ!シリーズの4作目にして、虹ヶ咲とはまた違った挑戦がある意欲作ではありつつも、ラブライブとしての王道を貫いている作品です。

今までとの最大の違いはアイドル達が年を重ねること。虹ヶ咲までの作品は基本的に1年間の物語が描かれているのですが、スーパースターでは、1期生と呼ばれる1年生である初期メンバーが物語が進むにつれて2年生に進級し、2期生が後輩として加入する……といった1年間を超えた時の流れが導入されています。

他にも、作品外でのリアル展開にもかなり力を入れており、2021年のプロジェクトスタートからまだ3年目であるにも関わらず、4回のナンバリングライブをこなしており、2ndを除く3回がツアーであることや、メインキャストの一部を一般公募から選ぶなどといった精力的な施策を行っています。

アニメシリーズはTVシリーズが1クール×2期で、現在3期が2024年に放送されることが決定しています。今回のフェスには3期でLiella!!に加入する鬼塚冬毬やウィーン・マルガレーテも参加することが決まっており、アニメに先立って彼女たちのパフォーマンスを見ることが出来るのも楽しみですね。

ちなみに、1期は1期生5人の1年生時代を書いた物語、2期は2期生を後輩に加えて、1期生の2年生時代を描いた物語となっております。

こちらも例に漏れず1期のダイジェストがありますので、時間がない人はどうぞ。

『蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』について

説明難易度MAXのチームが来ました。

今回出演するグループの中で唯一アニメ化しておらず、作品展開の拠点もスマホアプリなんですが、スクフェスだとか、アイマスで言えばデレステミリシタとは少し違ったアプリで、アプリの中での彼女たちが配信されているのを見ていく、いわばVtuberに近い形で活動をしてるスクールアイドルです。

何を言っているのかわからないと思いますが、大丈夫です。私も正直どう説明していいかほぼわかっていないので

実際触れてみるとめちゃくちゃ面白いんですが、なんというか、面白さを説明するのがめちゃくちゃ難しい

とりあえず、一番良いのはアプリ内で見れるメインストーリーを見てもらうことなんですが、(Youtubeにも公開されています)なんとこれ、1話1時間近くあるのが現状第10話まであるとかいうバケモノじみたボリュームがあるので、なかなかオススメのハードルが高いのも正直なところ。

一応ユニット毎にほぼ10分でわかるシナリオまとめってのもあるんですが、ほぼ10分っつってんのに18分あるのは流石におかしくないっすか

ただ、楽曲のクオリティの高さはシリーズでもピカ一ラブライブが今まで行ってこなかった他グループの楽曲や外部楽曲カバーなども魅力。

正直私は今最もアツいラブライブ作品だと思っているんですが、マジでご紹介のしづらさだけがネックです。時間に余裕がある方は是非メインストーリーを読んでください。再生時間をみて震えろ

あとがき的な

そんな感じでラブライブの各シリーズの紹介でした。
後はキャストとキャラが一致するかですが、まあそこは公式側が演出とかでなんとかしてくれると信じたい。

好評だったら色々ラブライブとアイマスのライブにおける文化の違い(コーレスとか、オタク文化の違いとか)もネタ的にまとめたいのと、アニメを見てくれたという前提のもとに予習とかかなぐり捨ててオススメ楽曲の紹介とかもしたいですね。

多くのアイマスPに読んでもらいたいので、是非拡散していただけると嬉しいです

それでは、バイめぐー

『場』のアニメとしてのミリオンライブ – アニメ「アイドルマスターミリオンライブ!」第一幕(1~4話) 感想・考察 #ミリアニネタバレ感想

こんばんは、ファミエリです。

随分間が空いてしまいましたが、アニメ「アイドルマスターミリオンライブ!」の感想考察を書いていきたいと思います。

ただ、今回は過去のアイドルマスターアニメ作品や、過去のミリオンライブの話については極力避けつつ説明をしようと思います

というのも、正直本作はそれに耐えうるだけのクオリティをもっている作品ではありますし、過去を遊んでいる人に得られる感動というのは当たり前ですが、ミリアニ前からミリオンライブを知っている人しか得られないわけで、その話を今更してもミリオンライブ老人会マウント合戦になることは自明であり、そんな私が勝つに決まっているので。(ミリオンライブめちゃくちゃ好きマンですからね私)
そんなしょうもない戦いに持ち込んだところで生産性がないと思ったのでそういった要素は極力省いた上で考察を加えていこうと思います。

ただ、どうしても対比で語ったほうがわかりやすい点については、例示として過去作やアイマス外の作品を引用しようと思います。アイドルマスターのアニメを本作しか見たいことがないという方にも極力わかるようには心がけようと思っているのでご容赦いただければと。

あ、新規の方向けと書きましたがこの記事は「視聴を勧める」記事として作ってはいないつもりです。あくまで、見ていただいた方の何らかの気付きになればという旨の感想・考察記事です。

では、前置きも長くなりましたが本題へ。

◆ ミリアニは『場』のアニメである

アイドルマスターに限らず、アイドルアニメ、ひいてはスポ根モノのテンプレートとして、登場するキャラクターが何らかの課題と向き合い成長する、という構造があります。

よくある形としては「お当番制」で、対応するキャラクターが何らかの課題に直面し、それを解決し成長する過程を描くことで、そのキャラクターの魅力を描く……という形です。

ただ、大きな特徴としては、今回のミリアニはそこから一線を画していると思っています。

上記のテンプレートに当てはめた時に、4話までの中で誰のお担当回がありましたか?と聞くと多分多くの人が回答に窮するんじゃないかと。

無理やり当てはめるなら1話の未来、2話の静香、3話の百合子、4話の桃子……といったのが当てはまると思いますが、困難を乗り越えての成長、という要素がメインだったか、と言われると個人的には疑問が残るんじゃないかなと思います。

どちらかと言うと百合子の先輩としての苦悩も解決というよりは気づきでしたし、そもそも静香の家庭問題は全く解決しておらず、未来と翼の後押しというドーピングによりその場を凌いだに過ぎません。

じゃあなんでお担当回がないかというと、この第一幕、そしておそらく第二幕の5話までが「765プロライブ劇場をみんなで作り上げていく物語」がメインになっているからなんじゃないかと思っています。

つまり、お担当回をベースとして「個」の物語に対して、ミリアニは基本的に765プロライブ劇場という「場」をメインに据えた物語だと考えています。

もうちょっとわかりやすく例えるなら、「個」の物語が個のアニメはキャラクター一人一人のレベルアップを描く物語で、ゲームで例えると、RPGでいうと旅をしてレベルアップして強敵を倒していくようなイメージだとするなら、一方で「場」の物語は自分が所属する場所をを強化していくイメージで、ゲームでいうと街づくりゲームとか、マインクラフトで自分の拠点を大きくしていくようなイメージが近いですかね。

コレに関してはパンフレットに乗っている監督のインタビューにも「かなり箱推しよりのスタイルに合わせたので今までのアイドルマスター作品とは手触りが違うのではないか」という旨が記載がありましたね。

「原っぱライブ」という大きな目標を通じて、場を構成するアイドル一人ひとりが改めてシアターへの思いを確認し、未来が言うに『プロデューサーと出会って、輝きたいという気持ちでシアターに来た』(ウル覚え)という共通した気持ちがあることを確認した、というのが第一幕の重要なポイントだと自分は認識しています。

この点を理解した上だと理解しやすいのが2話の未来・静香・翼のオーディションシーンで、39人が踊っていたシーンです。

作中だと説明不足な節も強いですが、あれはわかりやすく765プロライブ劇場の可能性をあの3人が象徴していた、それをその場にいる全員が共同幻想として受け取ることができた、という描写だと自分は理解しています。

あの3人が見せたのは39人のライブシーンと言うより、劇場の未来の可能性なんですよね。
未だに出会ってすらいない二人がいるのもそれが理由。

ただ、あの3人がなぜその立ち位置に立っているのか、というのはまあコレばかりは現時点では、シリーズのお決まりというか主人公ってそういうものですですよね、としか説明できないのはやや残念ではありますが。

とは言え、じゃあミリアニに個としての話は存在しないのか?といえば多分そんなことはなく、めちゃくちゃ存在すると思います。その話を次にしていければと思います。

◆ 『場』が何を目指すのかというのが2幕以降の要素か

此処から先は今後の展開についての考察とか希望です。

第一幕までの物語が面白かったのは『場を作る』物語としてとても良くできていたからなんですが、じゃあ第二幕、具体的に言うと6話以降何するの、と言う話をしたいなと思います。

過去のミリオンライブの歴史から「武道館」を目指すことはまあ既定路線なのですが、一旦それは忘れるとして、先程触れた「ミリアニに個としての話は存在しないのか?」

そんなことはなくて、 Rat A Tat!! のオープニング映像や歌詞に含まれていて、一人ひとりに「扉」が用意されていますし、歌詞でも色も形も輝きも違う未来という歌詞が含まれています。

その上でじゃあミリアニにおける765プロライブ劇場がどういう存在になるか、というのを簡単に言うと、アイドルたちが夢に向かって飛びだっていくためのスタート地点、ということになるのでしょう。

なるべく避けていたことではありますが、過去のミリオンライブの要素を引用すると、過去、ドラマCDで劇場の設立目的は以下のように語られています。

ここは、765プロのアイドルが飛び立つ場所になるの。
765プロの新しいアイドル達、それから春香や雪歩や、みんなが。もちろん……私もね。
ここから飛び立って、遠くまで飛んでいって、それこそ、もっと大きなステージにも立ったりして。
でも必ずここに帰ってくる。
プロデューサーはここを、そんな場所にしたいんですって。

秋月律子のセリフ – THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION 18 765PRO ALLSTARS 05.ドラマ『新しい場所』より

つまりは、アイドルたちが夢を語り、夢を目指し、飛び立つための場所、それが765プロライブ劇場、という展開になるのではないかな、と私は考えています。

……というのは、考察をすれば私のような素人でも思いつくあまりにも素直でストレートな展開なのですが、ミリアニには是非もう一捻りして欲しいというのが正直なところ。

というか、「夢を目指し、飛び立つための場所」なら別にそこに劇場がある必要がなくて言い訳で、アイドルたちが帰る事ができる場所さえあればそれでいいわけなんですよね。

その上で、じゃあ彼女たちがこの劇場で何を伝えるのか、というのまで描いてくれれば、個人的には満点超えと言えるのではないかな、と思っています。

おしまい!

【PROJECT IM@S 3.0 VISION】スタジアムライブSOLD OUT RTAチャート……ではなく、アイマス3.0についての考察

皆さん、こんにちは、こんばんは。ファミエリです。

まずは、M@STERS OF IDOLWORLD!!!!! 2023、お疲れ様でした。

何もかもが異次元、異質なライブに流石のアイマスからは他界しかかっていた私も墓から這い出ました。

さてさて、そんなライブでしたが、正直個別の曲の感想なんかは全国5万人のプロデューサーが死ぬほどつぶやいてくれているわけで、今更私が語るまでもないことだと思うので割愛するとして、私が話していきたいのは今回のライブをもって正式にサービスインとなった、PROJECT IM@S 3.0 VISIONなわけです。

今回は、この3.0 VISIONを最速攻略……という体で、色々考察、妄想していきたいと思います。
まあ、走ればRTAなので。タイトル詐欺だと怒らないでいただけると幸いです。

今回の話は、流石に長くなると思うので軽く内容を事前に書いておこうと思います。

  1. 2nd VISIONとはなんだったのか?
  2. 3.0 VISIONについて、現在分かっていること
    1. MRプロジェクト(複合現実)について
    2. アイマスでVTuber、va-live
    3. Web3.0的な取り組み
    4. 目標としてのスタジアムライブ
  3. Web3.0とは?
    1. Web3.0に明確な定義はない
    2. Web3.0の実例としてのMastodon
    3. アイマスに落とし込むとどうなるか
  4. 3.0 VISIONで、プロデュース体験はどうかわるのか
    1. 「CRE@TE POWER WITH YOU! あなたらしさが、きっと誰かの力になる。」を読み解く
    2. ヴイアライヴに求められるのは『勝手に生まれる物語』
    3. 3.0 VISIONは単に二次創作をするというだけではなく、自分自身で物語を作っていくことが必要
    4. 安全圏からプロデュースする時代は終わった
    5. 3.0時代の公式の役割
  5. 私はどう変えていくつもりなのか?
    1. すべてのアイドルにワンチャンが生まれる
    2. 声優ライブの見方も変える

上記のような形で、今回はお話をしようと思っています。

まず、最初の「2nd VISION とはなんだったのか?」で、公式のインタビューや、先日のMOIW2023を絡めて、改めて簡単に2nd VISIONとはなんだったのか、ということについての振り返りをしようと思います。

次に、「3.0 VISION について現在分かっていること」では公式のプレスリリースやPV、各社から出ているインタビューなどを引用しつつ、極力事実ベースで公式が発信する3.0 VISIONの情報について整理をしたいと思います。

その後、「Web3.0とはなんなのか?」という部分で、アイマス3.0において重要な要素、Web3.0について、Mastodonなどの実例を交えながら、通説としてWeb3.0がどういったものなのか説明したいと思います。

そして、それ以降が私の考察を中心としたパートでして、「3.0 VISIONで、プロデュース体験はどう変わるのか?」という部分で実際にアイマスがどう変わっていくだろうか、という予想を説明しつつ、「3.0 VISIONになるにあたって、私はどうプロデュースをしていくつもりなのか?」で私個人がどういう取り組みをしていくのかを説明して、みなさんが今後アイマスとどう向き合っていくのかを考える参考になってもらえたらな、と思っています。

かなり長い記事になると思いますが、よろしければお付き合いください。

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僕と虹ヶ咲

虹ヶ咲5thお疲れ様でした!!!!!
本当に一生忘れられないようないいライブだったなぁ……と、思います。

細かい完走はTwitterに書き散らしてますが、ここではTwitterに書けない話とかを書いていこうかなと思います。

今までの記事は、「私から見た虹ヶ咲」という点で、虹ヶ咲を主体にしたという体を保っていたつもりだけど、今回は開き直って100%「虹ヶ咲を見た私」つまり、自分語りに寄せてます

もしそれでも興味がある人は見てくれると嬉しいです。

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高咲侑とあなたちゃんの違いから見るスクスタ3rd Season

こんにちは、ファミエリです。
大分遅いですが、スクスタ3rd Seasonが完結したので、3rd Seasonの感想をやりながら、同時期に完結したアニガサキとの物語の切り取り方の違いなどについて触れていければな、と思っています。

スクスタメインストーリーの 3rd Season ですが、賛否両論が多かった2nd Season に対してかなり誰でも受け入れやすい内容になってますので、2nd Season が受け入れられなかった人でもかなり読みやすくなってると思います。

一応、3rd Seasonのトピックを触れておくと、前半はμ’s、Aqours、虹ヶ咲それぞれのスクールアイドルエキシビジョンに向けてのPV作成をしていく、という内容で後半がAqoursの単独ライブを話のメインに据えつつ、あなたちゃんが抱える悩みに焦点を当てた話が展開されています。

今回は主に後半戦の話をメインにして行こうと思います。

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あなたと叶える物語 – 第2期第13話 #響け_ときめき 感想

何はともあれ、まずは皆さん3ヶ月間お疲れ様でした。

1期で本格的に虹ヶ咲を好きになって、アニガサキという作品が、高咲侑という女の子が自分の中での特別な存在になって迎えた2期は、あっという間だったなぁ、という感じがします。

さて、最終話の13話を完走した感想ですが(激ウマギャグ)、基本的には12話で描かれたことを広げたのが13話だったように思います。

アニガサキの基本テーマは自己実現、作中の言葉で言えば「トキメキ」の表現ですが、12話では「エール」つまり、応援を通じて個人の中に点として存在するトキメキが繋がって線になっていく(有機的に繋ぎ止められる)、という話だと書きました。

今回は、その対象を画面を超えて我々までつなげてきたお話でしたね。

『次はあなたの番!』

このセリフは、1期からずっと我々に投げかけられたものではありますが、あくまで比喩的なもの……侑の視点を通してだったり、時には美里さんのようなファンの人達の視点を通して間接的に伝えられてきたものでした。

一方で今回の描写……特に侑の演説シーン以降は、これでもか、というぐらいストレートに画面の前の私たち、つまり「あなた」に伝えられます。

これの何がすごいかというと、この先、侑からバトンを受け取った我々の人生そのものが虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の物語の続編になってしまう、ということです。

スクールアイドルからトキメキをもらって、走り出した高咲侑のように、僕たちもまたこの物語を受け取って、そして誰かにバトンを渡していかなければいけない。

4話の美里さんの自己実現が、虹ヶ咲学園のメンバーでないのにしっかり虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の物語として書かれていたのと同様に、虹ヶ咲からバトンを受け取って走り出す我々の物語もまた、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の物語と言えるんじゃないでしょうか。

だからこそ、僕たちはある意味で、高咲侑(あなた)なわけです。

そしてこの物語は、虹ヶ咲のメンバーから渡されたバトンを受け取って走り出す、僕たち(=あなた)が存在して初めて続いていく物語なわけで。

だからこそ、あなたと叶える物語なんですよね。

コンセプトに忠実に作ってるだけでした、という大変綺麗なオチでした。

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2期12話 #エール_ から改めて読み解く、虹ヶ咲の『自己実現』と虹ヶ咲イズム

皆さんこんばんは、今日は12話の感想の体をした実質的な2期12話までの総合振り返り記事です。

1期における自己実現とは

私はブログなどで繰り返し、アニガサキ、そして虹ヶ咲を読み解く上でのキーワードを『自己実現』であると語ってきています。
これがどういった概念であるかというのは、ろっぷる氏の記事に詳しいのでそちらをご覧いただければな、と。基本的には私の言いたいことと9割同じです。

ろっぷる氏との差異も含めて、私の言葉で簡単にまとめるなら、自己実現を叶えている状態、というのは「自分が他者とは異なる存在であるということを認識している」状態であり、そのための手段として「自分のやりたいことをやる」という自己表現というものが存在すると思っています。

個人的に一番わかり易い例だと思っている、璃奈の例を挙げて話させてください。

璃奈は感情豊かな女の子である一方で、自らの気持ちを表現することが苦手な女の子でした。ですが、過去積み重ねた失敗で、自らの気持ちを表現することを諦めてしまっていました。

そんな彼女の転機になった存在は大きく2つ。「宮下愛」の存在と「スクールアイドル」の存在です。

璃奈は愛やスクールアイドルからトキメキをもらい、スクールアイドルを通じて自分を表現することを始めました。

時に挫折しながらも自分なりの表現というのを完成させていきます。

というのが、1期の『自己実現』でした。

ここで、大事なのが『自己実現』は決して外的要因を含まない、ということ。思い出してほしいんですが、1期の個人回っていわゆる外の問題を解決してないんですよね。

例えば6話で言えば、璃奈にとっての問題って「表情が出ないから周囲に誤解されること」それそのものと言うより、「自分の気持ちを正確に他人に伝えられないかもしれない」ことに対する、璃奈自信の恐れだったり、もどかしさだったり、そういった部分の

璃奈ちゃんボードは璃奈自信の納得のために必要なアイテムである、というのが1期的な表現の肝です。

他にも、例えば彼方回の場合、解決の鍵は彼方が遥の気持ちに気がつくことだったり、しずくであれば自分を表現することへの恐れとの対決だったり、仲間の力を借りつつも、基本的には自分と向き合うことが解決のキーだったわけです

唯一例外なのはエマだったりしますが……まあ、9人中8人が該当するのであれば凡そ誤差の範囲内だと思ってほしいです()

せつ菜のラブライブ云々はどうなんだ、という反論もあると思いますが、あれはラブライブに出ないということよりも、「せつ菜の大好き」を受け止めてくれる存在が現れた、だからせつ菜自信が自分の大好きが誰かを傷つけることを心配しなくてよい……というのが大きかったわけです。(とは言え、その傷というか恐れが100%癒えていなかったのは2期6話を見たみなさんならお気づきでしょうが)

ラブライブに出ないことはあくまでそのための手段に過ぎないわけで、ラブライブに出ないことが問題の解決ではないことは抑えておきたいポイントですね。

◆ 2期における自己実現のあり方

それでは2期はどうかというと、1期で9人は自己実現を達成してしまっているわけで、同じことを描くわけにはいかないわけです。

一方で例外として挙げられるのは侑、そして新加入組であるランジュ、栞子、ミアでしょう。

侑は1期を同好会で過ごしてこそいましたが、1期の13話で自己実現を踏み出したばかりなわけで(9人でいうならスクールアイドルを始めたばかりの段階)、スクールアイドルの9人からは半歩遅れている状況なわけです。

そこは侑自信自覚していることは、1期の3話を中心に描かれていました。

侑の自己実現について描かれたのが2期の3話や7話でした。

今回、12話でお互いが進めば離れてしまう、ということが話題になったのは、ある意味で言うと侑が歩夢に追いついたからこそ出てきた話題なのかもしれないですね。(この話題は忘れていなければ)

また、新加入組であるランジュ、栞子、ミアについては侑とは違って半年間同好会の活動を見てきたわけではないので、侑を半歩遅れとするなら、一歩遅れている、と言える状態でスタートしていたかと思います。

だからこそ、彼女たちが自己実現を成す7話や9話はロジックとしてかなり1期に近いものが用意されていると思います。(個人的な話ですが、2期で一番好きな話を選べと言われたら7話か9話の2択になるでしょう)

個人的に2期が複雑かつ、情報量が多いのは、9人が足並みを揃えて成長してきた1期と違い、異なる成長のステージにいるメンバーが多層的に存在し、それらが相互に影響しあっている、ということです。

更に言うと、9人のライン、侑、新メンバー3人のラインの三重構造だけでも厄介なのに、ここに4話では美里さん(ファンサイド)や、12話では外部の学校の物語まで入り込んでくることです。もうカウントできないレベルの多重構造でしょう。

ただ、このままだと多層構造の物語がバラバラに進行し、ただのオムニバス作品にしかならないわけなんですが、これらを有機的につなぎとめる存在が「応援」なんじゃないかな、というのが12話を見た私の結論です。

◆ トキメキを「つなげていく」ということ

あくまで私の仮説でしかないのですが、この作品において、自分が自己実現をしようと思うきっかけは基本外部からもたらされたものです。

例外が、この作品の原点である元祖スクールアイドル同好会のメンバー5人、せつ菜、かすみ、しずく、彼方、エマです。
それ以外のメンバーは多かれ少なかれこの5人、ないしこの5人のメンバーに影響を受けた9人+1人から影響を受けているわけで。

これ、すごい当たり前の話ですけど、世の中誰かからもらったものは誰かに同じことをしてあげなきゃいけないよね、って大原則あるじゃないですか。人にやさしくされたら自分も人に優しくしてあげる、的な。

1期で、9人のメンバーは同好会のメンバーや多くのファンに支えてもらって自己実現を成し遂げたわけで、だからこそ彼女たちは誰かの自己実現を助けて上げたくなる。

果林先輩の言葉を借りるなら「お節介」の集団になるわけです。

誰かの自己実現を叶える手伝いがしたい、そう思える彼女たちだからこそ、「同好会」という場を残すことにもこだわったんじゃないかな、と思うんですよ。

だからこそ、2期は「9人が誰かの自己実現を援助する」物語であると同時に、自己実現、やりたいことを成すための『応援』という名前の相互扶助ネットワークというのも一つの大きなテーマだったんじゃないかな、と思います。

今まで点でしかなかった「自己実現」が結びついて線になっていく、そしてそれが面になり、立体になり、遠くへ広がっていく、そんな話を描きたかったのがアニガサキの2期だったんじゃないかな、と。

ただ、補足しておくと、これは別に2期から始まった概念というわけではなく、1期のときから既に同好会の内部では描かれた概念だったわけで。

誰かが挫けそうになれば、誰かが手を伸ばす、当たり前のことで、あくまで2期はそれを同好会の外に広げただけ……というお話でした。

◆ スクスタとのつながり

更に言うとこの概念は、スクスタ時空でも既に示されていた話でもあります。

スクスタの最新の全体曲、「L! L! L!」にはこんな歌詞があります。

みんなとだから 今日がきらめく
どこにいても ひとりじゃないね
わたしたち夢で繋がってるんだ

L!L!L!(Love the Life We Live) – 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

「どこにいてもつながっている」「夢でつながっている」というのがまさに今回の話でしょう。

スクスタの最新章は、簡単に言えば自分らしさを表現するために頑張っている人たちは誰だってスクールアイドルなんだ……そういう話で、まさにアニガサキの伝えたいことを別の形で切り出した物語とも言えると思います。

ステージで歌って踊るだけがスクールアイドル(自己実現)の形じゃない、ということはまさに侑の存在や、スクールアイドルを応援しようとしている各校のファンたちの描写に重なる部分があるんじゃないでしょうか。

と、まあ12話感想というより、2期の総括でした。

13話はおそらく、1期の時がそうだったように、2期で伝えたかった物語をまとめて補強することになるんじゃないかな、と思います。

9人は色んな人にトキメキを伝えました。
1人と3人は受け取ったトキメキで走り始めました。

彼女たちにどんな結末が待っているか、ここで予想してしまうだけ興ざめというか野暮と言うもんだと思いますので、大人しく13話を待とうと思います。

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